人間は、他人との相性の問題があります。いつも一緒にいたい人や、あるいはできるだけ合いたくないと思えるような人もいます。それは、看護師にとっても同様です。患者の中には、仕事ではあってもどうしても関わりたくないという人もいるかもしれません。そのような時には、ナイチンゲールについて思い返すことが大切です。この人物が世界中で知られるようになったきっかけは、負傷兵を敵味方に関係なく治療したという事実にあります。戦っている敵であっても救いの手を差し伸べるという行為が、世界中の人々の心を動かしました。この行動は、他の看護師にとって重要な事を伝えているのです。たとえ相手が人間として尊敬できないような人であっても、医療従事者としてケアに取り組まなければならないという点について、ナイチンゲールの行動からは学べます。看護師初心者の頃は、特に本来の役割を見失いがちです。そこで、看護師として本来果たすべき役割を思い出し、徹する事が大切となります。看護師としての立場を貫いているうちに、誰とでも分け隔てなく接することができるような習慣が身につくでしょう。そうすると、看護の仕事も苦にならなくなります。看護師としての仕事を始めてみて、その厳しさを一度でも経験してみると、いかにナイチンゲールが偉大な人物であったかを痛感すると思います。これからの厳しい看護活動では、かつて偉大な看護師の先輩が歴史の中でいたことを思い出して励みにできます。